建築生物学による測定解析は多岐
2023年度も今回の記事を含みあと2回となりました。今回からは住環境学による住環境測定に関する概要に関して記載していきます。環境負荷に関する調査依頼により検討すべき測定場所に関しては依頼主の寝室や居間、職場や敷地内で、住環境測定士による検査・測定計画がなされていきます。そして計画が実行されると調査結果を評価し、書面で記録(測定結果、測定機器、分析方法の詳細を含む)。異常がある場合には、適切な改善策が作成され、提案されます。建築生物学による規格の個々のポイントは、屋内における生物学的に重大な環境への影響が考慮されています。個別に実行可能な枠組み内で専門的に検出、最小化、回避することは、生物学測定技術を構築する責任です。その目的と目標は、すべての基準点と診断オプションを考慮しながら、できるだけ健康で汚染がなく、自然に近い生活環境を作り出すことです。測定、評価、改修に関しては、生物学の経験、予防策、そして何が達成可能かを構築することに重点が置かれます。しかしながら建築生物学における指針・規格は非常に低い基準となっており都市部では新築する前から十分な時間を取って計画して低減施工をしなければにコスト上昇や施工法も難易度が増すことになります。また共同住宅においては隣家の壁や床、・天井からシールドしずらい低周波電磁波やその他の影響も受けることになります。建築生物学では人工的な電磁波や音環境だけでなく次回に記載する様々な環境因子も測定・解析していくことになります。
Date: 2023/12/18(月)


電離層と電波
電離層は地球から60Km以上上空の大気がイオン化している層で、周波数の低い電波を反射する性質がある。太陽からの紫外線やX線によって作られる電離層には、自由電子やイオン化した電子や分子が存在し、その電子密度によってD,E,Fの層に分けられる。波長1〜10Kmの長波は、地表に沿って遠くまで伝わるが、周波数が低く伝えられる情報量は少ない。中波は波長100m〜1Km、電離層のE層に反射し遠くまで伝わるため、AMラジオ放送などで使用され、短波は波長10〜100m、電離層Fに反射し、小さな電力で地球上のどこでも届く。1〜10mの超短波は電離層では反射されない。このため遠くには届かないが多くの情報を伝達出来るためテレビ(VHF)やFMラジオに使用されている。10cm〜1mのごく極超短波は地上デジタル(UHF)放送や携帯電話に使用されている。さらに波長の低いマイクロ波やミリ波、サブミリ波は気象航空用や宇宙通信用に使用される。
Date: 2023/12/11(月)


各分析機器の測定方法
吸光光度法は、試料中の目的成分を吸光物質に変えて、あるいはそのまま、光の吸収量を測定してその成分濃度を求める方法である。吸光光度法で取り扱われる波長範囲は、紫外、可視及び赤外領域である。その他、原子吸光分析装置、発光分光分析装置、蛍光光度法、ガスクロマトグラフ、高速液体クロマトブラフおよびイオンクロマトグラフ、薄層クロマトグラフィーなど様々な分析手法があるが質量分析計や電気化学式分析計、電量分析計、放射線利用分析装置など様々な手法により化学物質の定性、定量、解析などが行われてきた。しかし解析される化学物質と人体への影響は人体への大きな変化の結果でしか問題視されない。また次々に生産される化学物質が時系列に長期に亘り人体に影響を及ぼす可能性に関して事前に実験されることはほとんどない。
Date: 2023/12/04(月)


新たなる環境ホルモン
環境ホルモンとも呼ばれる内分泌攪乱化学物質は、本来ホルモンが結合するレセプターに結合することによって、本来ホルモンと類似の作用をもたらす場合と、逆に作用を阻害する場合がありPCBやDDT,ノニルフェノール、ビスフェノールAなどの化学物質は前者の例であり、DDEやビンクロゾリン(農薬)等は後者の例といわれている。またダイオキシン類の様にレセプターに結合するのではなく、細胞内のシグナル伝達経路に影響を及ぼすことによって遺伝子を活性化し機能性蛋白の産生等をもたらすものもある。これらのうちには農薬の有効成分に含まれているものが多くあり生産・使用がすでに中止されているものもあるが未解明な新たなるものが生産され検証されていないものがさらに様々な影響を及ぼし続けることが懸念される。
Date: 2023/11/27(月)


経済産業省における化学物質管理政策
化審法は、化学物質の製造・輸入に関する上市前の事前審査及び上市後の継続的な管理により、化学物質による環境汚染を防止することを目的としている。化管法は事業者による化学物質の自主的管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とする。事業者は国が定める化学物質管理指針に留意した化学物質管理を実施するとともに、進捗状況等の情報提供を行う等国民の理解を図るよう努なければならない。指定化学物質等取扱い事業者が講ずべき第一種指定化学物質等及び第二種指定化学物質等の管理に係る措置に関する指針等により有害性のおそれのある化学物質及び 当該化学物質を含有する製品を、事業者間で譲渡・提供する際に、化学物質の性状及び取扱い情報を提供することを義務づけている。

Date: 2023/11/21(火)


ドイツの住環境報道(問題のある屋内モバイル通信)より
世界的にもドイツにおいても政治的には、全国的な移動通信の拡大も推進されています。その高周波の人工的にパルスされた電磁界は、産業やビジネスの利益だけでなく、無数の消費者の利益のためにもほとんど無害であると公式に宣言されています。しかし、2021年、米国連邦最高裁判所は、米国連邦通信委員会(FCC)に、無線放射によって引き起こされた損傷の科学的証拠を長年無視してきた理由を最終的に説明するよう命じました。また、英国では、5G携帯電話事件の訴訟が認められました:5Gの健康への悪影響のリスクと個人の保護オプションについて国民に十分な知らされていなかったため、また、この技術の健康リスクを特定できなかったための適切かつ十分な理由が提示されていなかったため、その問題点が政府に向けられました。2020年、「欧州議会調査局」による欧州議会のブリーフィングは、5Gに関して、「曝露の種類と期間とともに、高周波などの5G信号の特性は、癌の原因と考えられているDNA損傷を含む曝露の生物学的および健康的影響を増幅するようである」と述べています。一方、移動体通信分野での多くの研究は、生物学的影響と損傷の影響が限界値を下回っていることを証明していますが。これらはすでに現在では時代に沿ってはいないものの、ドイツでも公的指針値は高く設定されています。意見は事実上分かれたままですが、これは、アパートや地下室の内部を含め、全面的に人工的にパルス化された電磁放射に人々を曝すリスクがないわけではないことを意味します。この分野の詳細については、Kühling教授の最近出版された本「評価のジレンマ携帯電話」を読むことをお勧めします。世界的に電磁波環境は加速して影響が増幅していく中、これらに過敏な方は、自分自身でそれらの数値を検知し住環境と身体を整えていく必要があることを自覚しておいたほうがよさそうです。
Date: 2023/11/13(月)


電磁波を知覚できない危険性
電磁放射を意識的または苦痛に知覚することができない人々は、周囲の電磁放射量の増加によっても危険にさらされています。「電磁波・放射線によるストレス」は心の状態を乱し、免疫システムを損ない、ストレスホルモンの放出を増加させます。ドイツでは早くから原子力エネルギーからの脱却に関し太陽光発電が推進されています。が一方で私たちの生活環境における電磁波の増加による危険性のひとつに、太陽光発電も指摘されています。太陽光発電機の直流と直流電圧を交流と交流電圧に変換する、いわゆるインバーターから放出される放出量が特に懸念されています。交流通電ケーブル自体と同じように、それらはほとんどシールドできない磁気交流場を生成します。それらが、寝室に影響を与えない状況であれば安心できるのですが寝室に影響を及ぼすようであれ特に電磁波に過敏な人々にとっては大きな問題となっていくことがドイツでは問題視されています。
Date: 2023/11/06(月)


環境における障害リスク要因の把握
健康リスクとしての環境要因は様々ですが目に見えるもの、体感できるもの、体感も目にも見えないものがあります。体感できるか否かになると人それぞれの感受性によって異なる。粒子状物質もPM2.5や花粉、微生物のカビ等でそれぞれ人によって感受性が違います。また化学物質も電磁波も人によって感受性が異なるとかんがえられます。測定の機会が増えるにしたがって私の場合はそれらの状況への感受性が高くなり測定しなくてもある程度、リスクの存在を認識できるようになっています。過敏症の方への対策としてはそれらのリスク(環境負荷)を総合的に低減していくこと、そして生活習慣上の負荷要因も低減してくことも実践していく必要があります。健康への早道は地道な生活習慣の活性化にほかなりません。
Date: 2023/10/30(月)


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