私たちの携帯電話への着信は、その携帯電話通信会社の最寄りの中継基地局から受信されています。携帯電話そのものは、発信あるいは着信とその後の通話の際に電磁波が発生していますが、携帯電話中継基地はセルと呼ばれる通話エリア内で、携帯電話の端末からの発信される電磁波を捉えようと常にスタンバイしている状態ですので、基地局の周辺ではある一定量の電磁波が発生しています。1つの基地局で通話できる人数は限られているので、都市部や繁華街では狭いエリアの中に基地局が増設されることもあります。
昨今携帯電話基地局の建設にあたり地域住民から反対を受けるケースが増えています。携帯電話基地局から発せられる電磁波は基準値内と携帯電話通信会社は主張するのですが、電磁波対策先進国と比較するとその基準値そのものが本当に安全を満たしているのか不透明なことから、自分の家のすぐ近くに基地局が立てられる住民にしてみれば不安になり撤去を希望することもいたって当然のことと言えます。
日本でも携帯電話中継基地が自宅のそばに建設されて稼働し始めた頃から、健康被害を訴えるケースが報告されていますが、海外でも基地局の稼働に伴う様々な事例が報告されています。ドイツでは、養豚場の近くに基地局が建設されて稼働が開始されてから、生まれる子豚に奇形が発生する割合が増加したり、子豚の出生数が減少したりと、電磁波によると考えられる被害とそれによる経済的損失が発生しているケースがあります。また農産物の奇形なども同様に報告されています。
いまや携帯電話のない生活を想像することが困難な時代になっていますが、その中でも電磁波の影響に関する明確な説明を地域住民に行い、基地局など建設にあたってはたとえ通信効率が落ちるとしても人家のない場所を選んで建設するなどの配慮が通信会社には求められるべきでしょう。
また自己防衛の手段として、高周波電磁波に対するシールドクロスやペンキを家の壁などに施して外部からの侵入を防ぐことも対策の一つとして考えられます。
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